ファッションは投資か?

今年を締めくくる最後の記事では、ファッションに熱いメンズ諸君たちにスポットライトを当てることにする。

 

前回の記事、「東京のメンズファッションが面白くなってきた!!」は読んでくれたかな?

まだの人はこちらのリンクをクリック→ www.georgeinaki.com/blog/mensfashion

東京出張を重ねて、自分の目で見て、感じたことについて書いたわけだけど、共感してくれる人たちが多く、嬉しく思っている。

 

僕のところでインターンをしてくれている22歳の恩地くん(@onccchi)からインスパイアされて、この記事を書きたいと思ったのだ。

いきなり感が出てしまわないよう、恩地くんのことを少し紹介しようか。

 

東京の品川が実家で、東京の某大学に通っているが、英語とファッションを学ぶために休学をして、NYに来たそう。Fashion Institute of Technology(通称FIT)という学校に通い、Brand Managementを専攻している。FITは、カルバン・クラインなども卒業した、NYにあるファッションの超有名校。日本の雰囲気的には、休学や浪人はなかなかよいイメージがないが、目的ある恩地くんは、いまどき珍しいタイプ。

インターンをしてくれている恩地くんと。Shu Uemura x Murakami Takashiイベントにて。

インターンをしてくれている恩地くんと。Shu Uemura x Murakami Takashiイベントにて。

出会ったのは、彼がFarfetchでインターンをしていたのがきっかけだった。

いつ会っても小奇麗にして清潔感あるし、デザイナーズファッションブランドに身を包んでいるし、おぼっちゃまなのかなと思っていた。

 

でも、よくよく事情を聞いてみたら、彼は洋服のサイクルをまめにして、やりくりしているらしい。

10万円もするSacaiのコートやGUCCIのローファーは、バイトしたり食費を節約したりして捻出するけど、シーズンが終わり着なくなったらそれをYahooオークションやフリマアプリで売って、そのお金を足しに、また最新のコレクションを買っているそう。それほど、ファッションに情熱がある青年。

恩地くんのアウトフィット。コート、パンツは「Issey Miyake」、ローファーは「GUCCI」のもの。

恩地くんのアウトフィット。コート、パンツは「Issey Miyake」、ローファーは「GUCCI」のもの。

僕の世代つまり30歳前後は、食費を削ってまでもブランドものを着る人が多かったのは事実。ステータスを上げたいために、みんなカップラーメンやもやしばっか食べてたよw

社会現象とまでなった2000年の連続ドラマ「やまとなでしこ」には、そういうシーンがあったよね。

 

僕が学生のときは、必死にバイトしてブランドを買っていたな、と懐かしくも思った。なんでそんなにこだわるかというと、早く大人になりたいと背伸びをしていたかもしれない。それに、自分の歳よりもはるかに上の人たちと遊んでいたから、そんなきれいな洋服を着ている大人たちに憧れていた。

恩地くんから伝授してもらった“コツ”の「買って売って」というやりくりが目から鱗だったので、他にもそういう子たちがいるのではないか、あるいは若者世代のリアルを知りたいと思い、恩地くんの友達に参加してもらって、初めてスカイプ・インタビューを実施したのだ。

 

今回参加してくれたのは、フォトグラファーとして活動する、Margiela好きの島村(@kisshomaru)くんと、某セレクトショップで働く、Umit BenanとMarni好きの俊法(@___toshi_114_)くん。

俊法くんのアウトフィット。コートは「Umit Benan」、ニットは「Jil Sander」、ローファーは「JM WESTON」のもの。

俊法くんのアウトフィット。コートは「Umit Benan」、ニットは「Jil Sander」、ローファーは「JM WESTON」のもの。

2人に共通しているのは、どちらもファッションに目覚めたきっかけが古着だということ。僕も、メゾンファッションだけで全身を固めるのはいやなので、古着がファッションの“味”を与えてくれるのは、よくわかる。

 

そして、ファッションアイコンというのは特にいない、というのも特徴。男性らしい意見だ。俊法くんは、セリーヌのデザイナー、フィービー・ファイロ、島村くんは仕事柄会うスタイリストたち、あるいはストリートの人々からインスパイアされるけど、誰か特定で、この人がアイコンというのはいないという。というのも、情報をどこから得ているかということに関係しているのではないかな。

 

やっぱり従来の雑誌では“時差”があり、情報がたった数カ月で古くなっていることもあるし、聞いてみたら、やはり雑誌は全然読まないという。もっと正確に言うと、ファッションの情報は雑誌から得ていないという。インスタグラムをはじめ、ECの発展も著しいし、情報ソースのほとんどが、スマートフォンからやってきている。

 

島村くん曰く、「雑誌はカルチャーを作りだすもの」。もはや、“読む”ために、具体的なファッションの情報を得るためには雑誌を買わなくなっているようだ。

 

島村くんのアウトフィット。コートは「Sasquatchfabrix」 、インナーは「Yohji Yamamoto」 、パンツは「Martin Margiela」のもの。

島村くんのアウトフィット。コートは「Sasquatchfabrix」 、インナーは「Yohji Yamamoto」 、パンツは「Martin Margiela」のもの。

「雑誌はカルチャーを作りだすもの」という意見は鋭く、面白いなと思った。より紙媒体はニッチになっていて、より深く刺さるコンテンツになりつつあるのは事実。やはり紙媒体から学ぶことはあるし、信憑性があるからね。

島村くんは、恩地くんのように服を売ってそれを資金にして次の服を買うことはなく、俊法くんはいらなくなったものをレベルアップするときに服を売るそうだが、資金は限られているので、その中で欲しいもののバランスを見極めている。こうしてファッションに関する投資について、真剣に考えたり、情熱をもったりする、ファッション感度の高い男子たちの話を聞いて、斬新な意見もあったりして、すごく面白かった。

 

ファッションは僕も一種の投資だと思っているのだ。

まだまだ年頃なので、デザイン性の強いトレンディーなものももちろん買うが、よりよい質のもの、長く着られるデザインのものを買うようにしている。

クローゼットがパンパンなので、着なくなったものはThe Real Realで売ってるよ!

クローゼットにスペースができるし、お金ができるし、一石二鳥でまた買い物できるじゃん!w

 

TheRealRealは委託という形で洋服を売ることができるオンラインサービス。自宅に来てピックアップしてもらえるから、ラクで助かっている!

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そして、とても興味深かったのが、原宿に増殖するメゾンの酷似ルックについて話が及んだときの、「僕らの世代にはビックメゾンのオリジナルを知らないまま、よくわからないまま、流行っているから着ている人、ブランドのコアやストーリーを知らない人も多いと思う」という内容。

今、若者がメゾンに対して憧れを抱かない時代だとも言われるけれど、ファッションにおけるこの「憧れ」というのは、キーワードかもしれない。だって、なんでそれに価値があるのかがわからなければ、憧れることだってできないから。例えば、誰かが欲しいと思えるような価値がなければ、その服だって売れないわけだしね。

そもそも、近年は憧れよりも“親近感”を重要視する時代が長く続いたので、もはや“憧れる”ということが薄れてきていたのかもしれない。

 

それでは、メゾンブランドは欲しくならないの?と聞いたところ、彼らはこう言う。「今の時代、SNSが普及しすぎて、ブランドが多すぎて選択肢も多くなった。昔みたいに、バッグならばこのブランド、コートならばこのブランドというのはないし、現実離れした価格で売られていて、とてもじゃないけど買えないし、値段と質が伴っていると思えないから。今は、小さなブランドでも質が高く、それに見合った価格で買うことができる時代だから、わざわざメゾンブランドで買わなくてもよい環境にいるから」とのこと。

ごもっともだ! 高すぎると買えないのは当たり前のことだから、他のブランドを探してしまうよね。

 

あらためて、僕は、不変の価値を備えた、資産とも呼べるようなファッションにだけ、投資したいなと思いました。メゾンブランドは名前でお金を払っているようなもので、これがステータスだからね。

来年ももっとよい年になりますように!

彼らのようにしっかりと意見を持った人たちが、引っ張っていくわけだから応援しなきゃね!

 

 

 

ライター/インタビュアー:稲木ジョージ

エディター:八木橋恵

コーディネーター:恩地祥博

公式ウェブサイト:www.georgerootltd.com

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