シャネル客船「LA PAUSA(ラ パウザ)」号が、パリのグラン・パレに現れた!

5月3日、春だというのに、風が冷たく、涼しいパリにやって来ました。

この時期にパリに来るのは初めて。ファッションウィークではないパリは、少しおとなしい印象。

それにもかかわらず、パリのランドマークであるカンボン通りのシャネル本店は、買い物欲に燃える顧客たちでごった返していた。

 

今回のパリの目的はそう、CHANEL CRUISEショーを見るため!このためだけにNYから飛んできた。

 会場の入り口

会場の入り口

 

CHANELのショーを初めて観たのは2012年9月で、あの時は24歳だった。

ショー会場であるグラン・パレをアートギャラリーに見立て、カラフルで心の底から楽しいコレクションで、光り輝くファッションウィークの始まりが、今も記憶に焼き付いている。

 

CHANELのショーを観て、「ファッションの業界で挑戦してみよう」と決心したブランドだから、思い入れが人一倍強いのだ。

 

ココ・シャネルが貧しい環境から、世界一のクチュールブランドに成長させたというバックグランドに、自分の生い立ちを重ねて、勝手に親近感をわかせている。

 

自分の本、「ニューヨークが教えてくれた、『自分らしさ』の磨き方」の「真のラグジュアリーとは?」というチャプターでも書いたが、近年はラグジュアリーというワードが飽和状態となっていて、違和感を覚える。

 

80ドルのカシミア、もしくは1,000ドルのウール。どちらが高級品なのか。

売値が高ければ、それはラグジュアリーなのか?

と、自分に問いかけることが多い。

 

一方、CHANELはラグジュアリーをCHANEL流に解釈し、貫き通しているのは事実。

決してトレンドを追っているわけではなく、「スタイル」を徹底的に打ち出している。

わざとらしく「これを流行らせます」と、プロダクトを作っておらず、どちらかというと「流行ってしまった」となっているのではないか?

 

肝心の、今回観たショーについて書いていこう。

IMG_4912.JPG

 

グラスドームが特徴のグラン・パレ内に、今回作られたのは、豪華客船。

IMG_4913.JPG

カモメが鳴く音や波の音を再現し、なおかつ照明を夕方から夜の雰囲気に絶妙に合わせている。

ここが室内であることを忘れ、船が停泊する港に来てしまった錯覚に陥ってしまうほどにリアルだ。

IMG_4921.JPG

これぞ、CHANELの底力。

ショー会場に足を踏み入れた瞬間に、タイムスリップしたかのようにその世界観に魅了され、いとも簡単にブランドのパワーに魅了され、圧倒される。

船首には、「LA PAUSA(ラ パウザ)」号と、その名前が書かれていて、これから来る航海や旅のワクワクと、ショーへの期待が重なった。

 

セーラーなど、クルーズコレクションにふさわしいストライプスに、リラックスしたシルエット。CCマークの赤が胸元に映える。

 CHANEL.COMより

CHANEL.COMより

 

サマーツイードのベレー帽で気分は、旅立つマリン。

お約束のトムボーイなシルエットがファーストルックをきった。

 

目で見て楽しめる色彩で、浮き輪の形をしたバッグ。

ボックス型のバニティバッグが進化して登場し、カラーバリエーションもあって間違いなく人気のモデルになるでしょう。

 

一番気になったのはクラッシュドデニム。

 CHANEL.COMより

CHANEL.COMより

 CHANEL.COMより

CHANEL.COMより

クラッシュ加工をやりすぎると、下品になりがちだが、ここまでラグジュアリーに格上げしてしまうのはさすがだ。高校生のときはクラッシュデニムの全盛期なので、懐かしい眼差しでモデルが通りすがるのを見ていた。時代はこうやって巡り、クラッシュ加工ブームが再来すると確信した。

 

船の入り口の階段にはモデルたちとカール様が並び、まるで客船が出発する直前に港にいる人たちに向かってバイバイをしているかのように手を振る演出も、おしゃれで憎い。

 

ショーが終わったら、アフターパーティがあるというのだが、それがなんと、その船の中で行われるとのこと。

夢の世界とはこういうことかと思わせるに充分な、まさに異空間だった。

IMG_4961.JPG
IMG_4960.JPG
 友達でブロガーのAimee Songとショーモデル

友達でブロガーのAimee Songとショーモデル

 

真っ白なピアノに、真っ白いスーツを身にまとった長髪の男性がジャズを演奏する。

ステージにはフレンチグラマーで妖艶なディスコチューンをパフォーマンスするCorineが、この特別な一夜を盛り上げていた。

彼女の曲がすっかりと、この旅のアンセムとなりエンドレスリピートで聴いている。

IMG_4975.JPG

 

豪華客船には乗ったことがなく映画でしかみたことがないが、細部にわたり忠実に再現しているのがわかる。

ジャグジーに見立てられていたり、デッキがあったり。煙突から煙が出る演出もされている。

タイタニック、ギャッツビーのような派手で華やかな特別な一夜だった。

 

このご時世、ファッションだけでなく、ブランドが溢れかえっているなか、どのようにしたら競合に勝てるのかを企業は考えなければいけない。

素晴らしい商品を作ったからといって、消費者が振り向くとは限らない。

おもてなしや夢の与え方で、CHANELがなぜ世界一のブランドなのか、を改めて認識したファッションショーでした。

消費者が商品を買って、それが特別なものであれば、ステータスを感じるというのが人間の性。

それを感じさせるのがラグジュアリーであり、ハイファッション。

たかがファッション、されどファッション。

高価だからといって、諦める必要はない。憧れが人間をアンビシャスにするのだから。

せっかくだから、生きている限り自分の気分を高める経験をしていきたいなと強く思う。

 

CHANEL.COMにたくさんの写真と動画掲載されているので、気になった方はチェックするべし。

 

 

次回は7月のクチュールファッションショー。

一体どのような内容になるか、見逃すわけにはいかない。

それでは、「LA PAUSA(ラ パウザ)」号の出航だ!

ボン・ボヤージュ!

 CHANEL.COMより

CHANEL.COMより

 

ライター:稲木ジョージ(@georgerootnyc)

編集:八木橋恵